施工事例

築50年古家を断熱改修・トドマツの板張りの家 東川町Sさま

【iezoom掲載中】

こちらは北海道東川町に移住して、住宅や家具のデザインを仕事にしているmonokraft(モノクラフト)・清水徹さんの自邸です。写真は母屋に連なる車庫部分。傾斜屋根の内部はロフト物置としても使えます。

庭にはリビング窓から出入りができる広いウッドデッキを備えています。夏はここで2人のお子さんがプールを出して水遊びをしたり、家族や友人たちとバーベキューを楽しんでいます。

外壁装には道産トドマツを使用。工事は雅建築企画が担当しました。木製サッシは津別町の山上木工による造作です。

清水さんは東川に家具製造を依頼していた会社があったことから、約15年前から定期的に東川に通うように。留学していたスウェーデンに似た気候風土や、東川町の取り組みに惹かれ、アトリエを持ちたいという思いに至ります。

改修前の住宅の様子

5年ほど前に知人を通じ、築50年の古家を購入。1960年代に北海道住宅供給公社が供給した通称「三角屋根」の住宅でした。

東京から通いながら、友人や仲間と共に躯体以外のすべてを取り外して補強し、断熱材を入れ、床を貼り替え、完成したのは2018年。暫くはアトリエとして利用し、冬季に留守にする間は蓄熱暖房機を弱小にして凍結を防いでいたそう。その後、家族と共に移住し、現在は自宅として使っています。

住宅内部は仕切り壁の無いオープンな空間。コーナーにはグラフィック・デザイナーで生活雑貨ブランド「サルビア」を主宰する奥さまのユリヲさんの仕事スペースが。

対面した壁際にあるスクエアの窓辺にはお子さんのスタディースペースが配置されていています。

塗り壁や天井の板張りもDIY仕上げ。内装は未完成ですが、その状態を楽しんでいるそう。肌馴染みのよくなった無垢床から、家族の暮らしの息吹を感じます。

木陰のガーデンテーブルには人が自然と集まります。栗の木にはブランコや梯子が吊ってあり、お子さんたちの遊び場にもなっています。

お手伝いをする度にお駄賃がもらえる楽しい仕組みは奥さまのアイデア

地域コミュニティーの温かさや、のんびりした子育て環境も移住の決め手になったそう。制作拠点と住まいを東川に集約したことで、仕事との向き合い方も、都会にいた頃とは変わり、すぐそこにある自然が、厳しくも優しく、クリエイティブ・ワークで張り詰めた心や体をほぐしてくれています。